「陰のものが体を委縮させて機能低下させるということは、操気色彩療術を創始した15年くらい前には気がついていました。だから、陰のものだと気がつけば買うことはなかったのですが、陰陽に注意を払わないで買うことがあったため、陰のものを持っているという自覚がなく、処分しようという気にならなかったのです。」

「陰陽の重要性を感じていなかったということでしょうか」と町会長。

「おっしゃる通りです。今から考えれば、自覚が足りなかったということになりますが、当時としては陰のものを持っているかどうかチェックしようという気にもならなかったし、そういうことに気がついたとしても、めんどくさくてできなかったと思います。どう考えても、自覚が足りなかったとしか言いようがありません。」

「それが、なぜ処分する気になったのですか」と町会長。

「母の陰の本を処分したら体が大変化を起こしたので、重要性に気がついたのです。そして、陽好きの父と母が陰の本や茶器を持っていたのが亡くなった原因になったと推定されたためです。それで、もしかして気づかずに、陰の本を持っているのではないかと考え、蔵書を全てチェックしたら、陰の強い本を持っていることに気がついたのです。気がつけば、処分します。」

「息子さんの場合は、陰の本だと分かっていても処分しないのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。父も母も陰だと知っていて、陰の本や茶器を持っていたのだと思います。本人にとっては、持っている理由があるわけです。町会長が灼熱の国に出かけて行って命を縮めてしまったのと同じですよ。だれも止めることはできません。」

「実に不思議な話ですね。論理的に考えれば、体力が低下して死に一歩近づくことになるのだろうけど、実際には、死に一歩近づくということにまで頭が回らないために、灼熱の国に行ってしまうのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。僕が陰のものを処分できるもう一つの理由は、大学時代に人間は自分自身をこういう人間だと定義して生きていることに気がついたためです。自分自身を定義してそれにこだわるということは、実に不自由なことなので、自分自身をどのように定義しているか徹底的分析しました。そういうことがなければ、自分の意識を分析して現状を客観的に見るということができないので、陰のものを処分することはできなかったと思います。陰の写真も、結婚式の写真や卒業式の写真を含めて、全て処分しています。」

「陰のものを全て捨てるには自己分析が必要と言うことですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。高校時代は、デカルトを勉強して、有名な哲学者は間違いばかりするのだということ気がつきました。そして、デカルトの方法論をベースにして、徹底的に考えた結果、自己分析哲学と呼ぶようなものに到達しています。そして大学時代にバートランド・ラッセルの随筆に、『哲学者は、皆、間違いをする』と書いてあるのを発見し、哲学は勉強するものではなく、自分でするものだということを確信しました。この経験がなければ、自分が写っている写真を破いて、燃すことはできなかったと思います。」

「陰であっても、結婚式の写真や卒業式の写真を処分するのは抵抗が大きすぎます。写真をオンラインアルバムにアップロードすれば、処分できるかもしれません。それでも、抵抗がありますね」と町会長。

「残念ながら、オンラインアルバムにアップロードしても、問題は大きくなるだけで、解決にはなりません。」

「ウェブにアップロードすると、問題が大きくなるのですか」と町会長。

2019/11/6